渋谷ヒカリエスカイタワーのワンフロアを拠点とし、2005年創業からわずか7年半で社員数240名、年商65億円という規模で成長を遂げている、今IT業界で注目を集める若き実業家レバレジーズ株式会社 代表取締役社長 岩槻知秀さんにお話を伺った。

ジーンズにパーカーといったラフな姿で登場し、インタビュー中は和やかな雰囲気の中、これまでの人生のこと、創業の想い、仕事に対する考え方を真摯にお話していただいた。

最近では、就活アワードの受賞をはじめとして、就職活動で出会った魅力的な企業として若者からの支持も厚いレバレジーズ株式会社。楽天やDeNAといったインターネット関連企業の委託を受け、システムの開発やサービスの提供を行うほか、医療・エンジニアなどさまざま分野における人材の紹介サービス事業、自社メディアの開発の3本を柱としている。
「かかわってくれた人全員に、満足や充足を味わってもらいたい。」
そう話す岩槻氏のビジョンはどのようにして生まれたのだろうか。

お金と仕事で困らない世の中にしたい

レバレジーズ株式会社 代表取締役社長 岩槻 知秀さん岩槻氏が起業を考えるきっかけとなったのは、ナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」を読んだことに始まる。当時岩槻氏は、19歳(大学1年生)。
家族がマスコミ一家だったこともあってか、自分もマスコミへ進むだろうと漠然と思っていた時だった。
「人生一回しかないのだから、起業家という人生を送ったらおもろいかもしれない。」最初は企業家というのは憧れであったが、思い立ってからはとにかく勉強をしたという。
「目標があったら、それまでに代償を払わなくちゃいけない。その代償として人一倍努力することや勉強することは当たり前でした。今よりも意識も高かったぐらいです。例えば、人と話しているときも、電車乗りながらでも、歩きながらでも一分一秒を惜しむように本を読んでいましたね。」

そんな矢先で、父親の経営する会社が突然倒産。孤独のどん底に陥いった。
「学費や生活費を自分で稼がなければならず、大学へ通いながら日雇いのアルバイトをはじめました。1日半ぶっ通しで働き、休憩時間に寝るという生活をしていましたね。お金には本当に苦労しました。当時は誰にも相談できず、世の中は冷たいなぁって(笑)。でも、逆境は利益と同じかそれ以上の利益に変わるという言葉があるように、日雇いも筋トレだと思うようにしていましたし、お金を稼ぐのに必要なスキルを身につける絶好のチャンスなんだと発想の転換をするようにしていました。」
ここでの苦い経験は、お金と仕事で困らない世の中にしたいという根底の想いにつながっている。

IT業界との出会い

日雇いのアルバイトの他に稼げる職業といえば、ホストかプログラマーだった。
2000年当時は、ITバブルという背景もあり、この先があるんじゃないかと突き進んだのが、プログラマーという道。学生で知識ゼロからのスタートは厳しかったと話す。
「プログラミングは誰からも教えられることもなく、独学で勉強して働いていました。難しいので初めは本当につまらなかったのですが、それも自己洗脳してどう楽しむかを考えて頑張り始めました。仕事って人が嫌がることやお客さんの要望が仕事になる訳で、楽しい要素って少ないと思うんです。どうやって面白くするかを考えると、途中からプログラムを作る楽しさがいろいろわかるようになっていきました。独学なりの苦労はたくさんありましたが。」

レバレジーズ株式会社 代表取締役社長 岩槻 知秀さん大学在学中には、oisixでインターン、indexのプログラマーを経験した。「その経験を買われてとあるベンチャー企業の創業に携わることになりました。でも、とある企業がとんでもないブラック企業で…。会社の立ち上げに関わらせてもらったのですが、儲かろうとするだけの会社がいかにお客さんと社員に迷惑をかけているかを目の当たりにしました。この時、自分が創業するんだったら、社会的意義を同時に追いたいなと思ったんです。会社を創業するには理念が重要なんだって気づきました。」

そして、自分が社会に対して生み出せる価値は何だろうと考え、自分が関わってきたITと人材の分野から、スタートさせたのが、レバレジーズ株式会社だ。レバレジーズ株式会社は〝関係者全員の幸福の追求″をしていくことをビジョンにかかげている。「なぜなら、これを徹底した先には確かな利益と信頼があることを知っているからだ」と岩槻氏は話す。

確かな理念の元に歩み続ける

「今後の目標は、8年後には1000億くらいの会社にすること。今の事業の延長線上だけではなく、将来的には、日本だけではなく、海外にも注力をして事業展開をしていきたいと考えています。どの事業でも必ずナンバーワンをとっていって、会社としての規模を大きくしながらも安定性の高い企業を目指していきたいです。事業家としては、孫さんや柳井さんのような方に憧れますね。働く意味はお金ではないと思うんです。日本人の大半がユニクロの商品を持っているのがわかりやすいように、世の中とって役に立つ事業家になりたいですね。」

明確なビジョンを提示し続け、昔も今も変わらず愚直に努力続ける岩槻社長の姿勢に学ぶべき点は多々ある。レバレジーズ株式会社の今後の活躍に注目したい。

取材:四分一武 / 文:Lily編集部

メールマガジン配信日: 2013年3月5日